投稿日:2022年4月7日 | 最終更新日:2022年5月30日
あなたはいま、どんなふうに自分自身をいたわっていますか?
忙しい毎日を乗り切るために定期的な癒しは必要ですよね。
動物と見つめあったり触れあったりすると、気持ちが穏やかになり、安らぎを感じたり幸せな気持ちになった経験はありませんか。動物と時間をいっしょに過ごすと、精神的な安定を得られることがあります。こうした動物がもつ癒しの力で心身を健康状態に導くのがアニマルセラピーです。
この記事ではアニマルセラピーについてまとめて紹介していきます。
目次から気になる項目を選んでくださいね!
アニマルセラピーってどんなことするの?
アニマルセラピーは動物を使ったセラピーの手法のことであり、日本における造語です。
その目的は、動物と触れ合いを通してストレスを緩和し、精神的な落ち着きなどの癒しの効果や、高齢者の活動性向上を促すものもあります。またストレスの溜まりやすい現代社会における対象者は高齢者だけではなく、健康なひとも該当するといえます。
具体的な活動として、高齢者を対象とした活動には「動物介在活動(AAA: Animal Assisted Activity)」と「動物介在療法(AAT: Animal Assisted Therapy)」の2つがあります。それぞれ特徴的な内容なあるのですが、動物介在活動とは、病院や施設などで動物と触れ合うことによる情緒的な安定、レクリエーション・QOL(Quality of Life:人生の質)の向上を目的としたふれあい活動のことを指します。
林 良博氏(1999)はアニマルセラピーについて以下のように論じています。
アニマルセラピーとは、医療関係者と受手の間に動物が介在するのではなく、弱者と動物との直接的な係りを医療または動物関係者が介助する行為をいう。動物は弱者を差別しない。その振る舞いには嘘がない。自分を愛らしいものとは考えていない。そんな動物たちに、弱者は心から気を許せるのである。これはどんなに優れた人間にもできない芸当である。
引用:林 良博(1999)私のアニマルセラピー論
動物と触れ合うことからもたらされる癒しの効果で、心身の安楽を得られそうですね。
アニマルセラピーってどんな効果があるの?
アニマルセラピーには、ストレス解消やリラックス効果のほか、意欲が湧く、感情表現が豊かになる、運動量がアップ、病気の回復をサポートするなど、心身に良い影響を与えることが明らかになっています。また、コミュニケーションを円滑にする、協調性が生まれるなど、社会的な部分での効果も期待されています。
またアニマルセラピーとして3つの効果が期待されています。
(1)生理的効果(Physiological effect)
・脳内伝達物質である「ドーパミン」や「オキシトシン」の分泌が増え「動物と接していると楽しい」という感情になる。
・副交感神経が優位になりいわゆる「リラックス」した状態になる(落ち着く、癒されるという感覚)。
(2)心理的効果(Psychological effect)
・動物と接したときの楽しいい感情が日常生活のなかで増えると、抑うつ症状の改善につながる。
・「動物と触れ合いたいから学校へ行こう!」「犬と散歩したいからリハビリをがんばろう!」という前向きな気持ちが、回復に向かう動機づけになる。
(3)社会的効果(Social effect)
・非社会的な高齢者が動物との触れ合いを通じて他人との会話が増えたり、動物を介して人とひととの交流が円滑になる効果がある。
アニマルセラピーには以上のような効果が期待されています。
アニマルセラピーはどんな動物がする?
アニマルセラピーに適するのはどんな動物でしょうか?
犬や猫だけでなくウサギ、馬、イルカなど、人間と喜怒哀楽を共有できるような感情豊かな哺乳類が主に用いられています。日本でいま最も多く用いられているのが「犬」ですね。イメージしやすいのではないでしょうか。犬はいっしょに運動ができかつ飼い主への忠誠心があり、アニマルセラピーに向いているといわれています。
普段街中で目にするような動物たちにも、癒しの効果はあるようです。
アニマルセラピーのメリット
アニマルセラピーのメリットはどんなものがあるでしょうか?
一般的にセラピー(Therapy)にはなんらかの症状の緩和が見込まれます。前述したようにアニマルセラピーには生理的効果、心理的効果、社会的効果が期待されています。結果としてQOL(Quality of Life:人生の質)の向上が期待されるでしょう。
個人的な考えでは、アニマルセラピーによる心理的効果は、特に影響が大きいように感じます。心身ともに健康なひとでも、動物と触れ合うことで安心した気持ちになりますよね。
アニマルセラピーのデメリット
アニマルセラピーのデメリットはあるのでしょうか?
動物が関わることですからもちろんデメリットもあります。
ひとつは咬傷、つまり噛まれたり引っ掻かれたりして怪我をする可能性も少なからずあることです。また感染症などもリスクも避けられません。日本にいる動物のほとんどは狂犬病など重篤な疾患に対するワクチンを受けていますが、舐められたりするとその他の感染症にかかる可能性はゼロとはいえません。
触れ合ったあとには必ず手洗いと消毒をしましょう。
アニマルセラピーができる資格ってある?
NPO法人 日本アニマルセラピー協会では、アニマルセラピスト認定資格が取得できます。
Webサイトにはアニマルセラピーの目的について、以下のように記載されています。
福祉・教育・医療の現場で活躍が期待されるアニマルセラピスト。人との触れ合いを通して、QOL(生活の質)の向上、子ども達の情操教育、医療現場での手助けをしていきます。
動物との触れ合いは人の心を癒し、最近では医療効果を高めることも証明され、病院への訪問も増えています。年齢は関係ありません。福祉に生きがいと充実・夢を感じ、社会貢献ができるお仕事です。
NPO法人 日本アニマルセラピー協会
アニマルセラピーの資格を取得することで、社会貢献につながる活動をできそうです。
以下の記事ではアニマルセラピストになるための方法を記載していますので参考にしてください!
この記事のまとめ
この記事ではアニマルセラピーはどんなことをするのか?またそのメリットとデメリットをまとめました。最後にもういちどまとめてみますね。
・アニマルセラピー:動物と触れ合うことで心身の安楽を得ること。
・メリット:生理的効果、心理的効果、社会的効果が期待される。
・デメリット:感染症や咬傷などのリスクがある。
・アニマルセラピーに関わる資格:アニマルセラピスト(認定資格)
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