投稿日:2022年6月21日 | 最終更新日:2022年7月6日
あなたは猫の気持ちを知りたいと思ったことはありませんか?
筆者ははじめて猫カフェへ行ったときに「どうやって猫と触れ合えばいいのだろう?猫が喋ってくれればいいのに」と思いました。ひょっとすると、多くのひとがこういった経験をしているのではないでしょうか?と感じたことが、この記事を書こうと思い立ったきっかけでした。
動物は人間と言語を介したコミュニケーションができません。しかし「猫語」がわかれば、コミュニケーションもとりやすくなるのではないでしょうか?そんな昔年の思いを形にした記事です。いっしょに猫語をマスターしていきましょう!
哺乳類動物学者である今泉忠昭(いまいずみただゆき)氏が監修する「猫語辞典」を参照しました。
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はじめの予備知識
予備知識①猫の基本心理は「安全」と「危険」が尺度
猫にも感情はもちろんあります。だけど人間のように複雑なものではありません。猫の感情の主軸は、いまが「安全」か「危険」かに基づいています。いまが安全ならキモチよくリラックス。危険なら逃げるか戦う。
基本はそんなシンプルなキモチです。
予備知識②猫は気分のモードがころころ変わる
子猫モード、親猫モード、野生モード、飼い猫モード。4つの気分が瞬時にモードチェンジ!猫が気まぐれに見えるのは、単独生活をする動物だからです。相手に気を遣って合わせることなどないからです。
また天気や時間帯でも気分が変わります。
予備知識③猫は全身で気持ちを伝えている
全身をよく観察して、猫のキモチを総合的に推測することが大切。「顔の表情だけ」「鳴き声だけ」などの単体でキモチを判断することはできません。同じひとつの仕草でもシチュエーションによって意味が大きく変わってくる場合もあるので、それぞれの項目をひとつの手がかりとして、総合的にキモチを察することが大切です。
予備知識④キモチの表し方には個性がある
猫にはそれぞれオリジナルの「猫語」があります。あなたの猫だけの「猫語」をみつけましょう。猫がよくする行動をチェックし、キモチを推測してみましょう。
予備知識⑤気持ちの表し方は変わったり増えたりすることもある
飼い主さんの反応次第で、愛猫の「猫語」が増えていったり、逆に減っていくこともあります。飼い主さんの反応や、猫にとっての「いいこと」「悪いこと」の経験がその後の猫の行動に影響を与えます。
顔の表情を読み取ろう:顔の表情のポイントは耳、瞳、そしてヒゲ!
猫の表情の変化がわかりやいすのは、まずその大きな耳です。猫の耳には30もの筋肉があり、横や後ろなどさまざまな方向に向きます。音のする方向に向けるためのもありますが、気分でも耳の向きは変わります。
次に目立つのは大きな瞳。キモチの変化で瞳孔の大きさが変わるのです。
また、ヒゲも動いています。興奮すると口元に力が入り、ヒゲが前を向くのです。
全身の姿勢で伝える気持ち:気持ちによってさまざまに姿勢が変わる
猫のしなやかな体は、地面に四つ足をつけて立っている姿だけでも、実にさまざまなバリエーションを見せます。基本的に、猫は強気の気分のときは体を高く、弱気の気分の時には体を低くします。相手に自分を大きく見せたりして圧倒したり、逆に小さくみせて「わたしは弱いんだから攻撃しないで」というメッセージをボディランゲージで送っているのです。
単純に「強気」「弱気」だけでは片付けられない、強気半分・弱気半分などの時は、下半身は高く、上半身は低いという、複雑な姿勢になることもあります。
姿勢は遠くからでもわかるサイン。そばに寄ってこない猫の気持ちも、姿勢をみれば読み取ることができます。
しっぽは嘘をつけない
猫のしっぽは、気持ちと連動して動きます。それぞれどんな感情を表しているのかみてみましょう!
○甘えたい:しっぽピン!は親愛のしるしです
○遊ぼう:「いっしょに遊ぼう!」または「威かく」の意味があります。
○イライラ:「喜んでいる」は大間違い!ご機嫌ナナメです。
○驚き・怒り:大きく膨らんだしっぽは大きな驚きのしるしです。
○恐怖:あまりの恐怖に、まさに「しっぽを巻いた」状態です。
寝相や寝場所に注目:そのときの気持ちに合った寝姿を自然にしている
安全なら体を広げて、危険なら固く丸めて眠ります。なにげなく見える寝姿にも、その時の猫の気持ちが表れています。人間だって危険な状況では大の字になって眠れませんよね。反対に、安心しきっているときにはお腹をさらけ出した無防備な姿で眠ります。
○箱入り寝:野生の頃の習性で入りたくなっちゃいます。
○マクラ寝:周りをすぐに見渡せるように、頭を高い位置に置きます。
○目隠し寝:光がまぶしくて前足で遮っています。
○シンクロ寝:仲良しだから気分が「シンクロ(同調)」しちゃう。
○しり向け寝:嫌がらせなんてとんでもない!信頼の証です。
変なポーズが表す気持ち
猫の気持ちを理解するためには、その姿勢、ポーズをよく観察することが大切になります。
○立つ:立ち姿はなわばり意識や好奇心、警戒心の表れ
○オヤジ座り:野生ではまずみられない超リラックス中の座り方
○しっぽ巻きつけ:几帳面な性格の猫はキュッと足に巻き付けるようにします
○足ブラ〜リ:猫も野生時代は木の上で休んでいました。このポーズはその名残り
○前足パクリ:子猫時代の行動は習慣として残りやすい
○片前足上げ:前足を挙げているのはなにか危険なものに気づいて逃げるかどうしようか迷っている時
○肩抱き:前足を相手の肩に乗せるのは、無意識に相手の体を押さえ込もうとする気持ち
キモチを伝える鳴き声いろいろ:状況も含めてキモチを見極めることが大切
猫の鳴き声の意味は大きく分けて2つ。自分の子どもやきょうだいなど、親しい相手に向かって「こっちへおいで」などのように呼びかける声と、見知らぬ相手や敵と見なした相手に対して「あっちへ行け」と、その相手を遠ざけようとする声です。
○相手に呼びかける声
【ミャオ】
【ゴロゴロ】
【ニャッ】人間でいえば「オッス」
○相手を遠ざける声
【シャー!】
【ミャ〜オ〜】
【ギャアア】
しぐさからわかるキモチ
猫の普段のしぐさからもキモチを探ることができます。ひとつずつみていきましょう!
【モミモミ】お乳を飲んでいたことを思い出しています
【チュパチュパ】まさにお母さんのお乳を飲んでいるしぐさ
【ゴロリン】飼い主さんに心を許して安心しています
【クネクネ】気持ちが良かったり恍惚状態の時のしぐさ
【スリスリ】体をこすりつけてにおいをつけています
【ゴッチン】スリスリと同じで、においつけの行動です
【クンクン】猫は視覚よりも嗅覚でさまざまなものを認識します
【ナメナメ】体をなめることで精神的に落ち着きます
【カキカキ】自分の匂いを消すため砂をかけて隠します
【ジーッ】気になるものをじっと見つめて観察します
【バリバリ】爪のお手入れのほかにもマーキングの意味も
【カイカイ】なめられない部分を足を使ってグルーミング
【カミカミ】獲物を仕留めるときの攻撃手段で、本能的な行動
【バシバシ】猫パンチはケンカのときの最初の攻撃手段
【ケリケリ】猫同士のケンカのときの最強の反撃手段
【フリフリ】一発でしとめるために飛びかかる位置を調整
【ピクピク】健康な睡眠状態
この記事のまとめ
以上が「にゃんこのキモチがわかっちゃう!【猫語辞典】」でした!
人間と同じように猫も感情を持っています。そしてその感情の表現方法は、わたしたちが思っている以上に多様です。すべてを理解することはむずかしいかもしれませんが、理解を深めることで交流がしやすくなるかもしれませんね。
もういちど内容をまとめてみます。
- はじめの予備知識
- 顔の表情を読み取ろう:顔の表情のポイントは耳、瞳、そしてヒゲ!
- 全身の姿勢で伝える気持ち:気持ちによってさまざまに姿勢が変わる
- しっぽは嘘をつけない
- 寝相や寝場所に注目:そのときの気持ちに合った寝姿を自然にしている
- 変なポーズが表す気持ち
- キモチを伝える鳴き声いろいろ:状況も含めてキモチを見極めることが大切
- しぐさからわかるキモチ
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